リールは定期的にメンテナンスをしてあげることが、長く快適に使うためにとても需要です。
しかし、メンテナンスをどのようにやれば良いのかわからない方も多いと思います。
今回は初心者の方がよく迷う、オイルとグリスの使い分けをメンテナンス箇所毎に説明します。
メンテナンスの効果
定期的なリールメンテナンスはとても効果があり、リールを長く快適に使うことができる唯一の方法です。
リールは回転するパーツが多いため、メンテナンスをすることでスムーズな回転を継続して保つことができます。リールとしてまず1番に重要なポイントです。
リールにはギアとベアリングが多く使われており、これらにゴミや古いグリスが固着するなど汚れていると、スムーズに回転することができなくなり、ルアー飛距離や巻心地に大きな影響が出てしまいます。
メンテナンスを行うことで、これら回転するパーツをきれいにし、滑らかな回転を保つことができます。
淡水だけでの利用でも、どうしても砂やゴミがリールに侵入してきます。
また、野池など濁りのある水での釣りでは、すぐにリールが汚れてしまいます。
リールが壊れてしまってから元に戻すためには、時間もお金もかかります。古いリールの場合には交換パーツもなくなり復旧不可能となることもあるでしょう。
そうならないためにも定期的なメンテナンスはとても重要だと言えます。
メンテナンスに使うオイルとグリス
リールメンテナンスに必要となるのが、ドライバー、綿棒、オイルとグリスです。
まず、リールは各所がネジで固定されているため、ドライバーでネジを外す必要があります。
そのため精密ドライバーセットがあるととても作業しやすく、サイズにあったドライバーを選択することで、ネジを痛めてしまう心配も軽減できます。
高額なドライバーセットは不要ですが、1セットあると良いですね。
そしてメンテナンスと言えば、オイルとグリスです。
オイル
オイルは、粘度が低く水のようにさらさらしています。
抵抗が少ないため、回転速度、回転慣性を生かすことができ、回転速度が高くなる箇所への注油がおすすめです。
また、オイルの特徴として揮発もしやすいため、グリスに比べ、こまめに注油する必要があります。
オイルはパーツを水分から守り、回転をスムーズにする特徴があります。
グリス
グリスは、粘度が高くねばねばしています。
オイルとは違い抵抗が高くなるため、高速回転するような部分への塗布には適しません。
一方でギアなど金属同士が擦れる箇所などに塗布することで、摩擦によるパーツへのダメージを軽減してくれます。
また、粘度が高いため、定着率も高く水分からもよりパーツを保護することが可能です。
オイルではパーツ同士の隙間に入り込んでも、さらさらしていることから、どうしてもパーツ同士のぶつかりをダイレクトに感じます。
しかし、グリスの場合には粘度が高いため、パーツ同士の隙間に入り込むと、パーツとパーツのぶつかりをクッションのように守ってくれる(軽減してくれる)ようになります。
これにより手に伝わってくる感覚が滑らかになります。このようにオイルとグリスを使い分けることで、自分好みのフィーリングを追求することも可能です。
場所による使い分け
ドライブギア&ピニオンギア
ドライブギアとピニオンギアはリールの中心部にして重要なパーツです。
この部分はかならずグリスを利用してください。
このギアはリールを巻き上げる際に使われるギアで、負荷が多くかかる部分になります。
ギアは真鍮性など硬度が高い金属で作られていますが、パーツ間の摩擦やぶつかりによりパーツが削れてしまうことがあります。
このような部分に粘度が低く、すぐに揮発してしまうオイルを使ってしまうと、パーツがしっかり保護されず、パーツが消耗し、ガタ付きや最悪の場合故障してしまいます。
そうならないためにもギアには特に粘度が高いグリスを塗ることが必要です。
また、メインギアとピニオンギアへアクセスするためには、サイドカバーを外すなど手間もかかります。
頻繁にメンテナンスができない部分でもあるため、長く効果が持続するグリスを塗るようにしてください。
ウォームシャフト
ウォームシャフトはレベルワインダーを動かすためのシャフトで、リールの前方斜め下から見えるギザギザの溝が入っているシャフトです。
ここは良く購入したばかりのリールでは、グリスがベッタリ塗られていることが多くあります。
問題が出るわけではないですが、これでは抵抗が高すぎて、リール本来の性能を発揮することができません。レベルワインダーはリールの巻心地につながりますので、購入したばかりのリールの場合、適度な量になるよう綿棒などで拭き取ってあげると良いでしょう。
この部分は比較的容易にメンテナンスすることが可能です。その反面露出している部分が多く汚れやすいポイントでもあります。
釣りをした後は付着しているゴミ、汚れたグリスを拭き取り、新しいグリスを塗ってあげてください。
グリスの塗り方はレベルワインダーの両側に出ているシャフトへチョン付けし、ハンドルを回してレベルワインダーを左右に動かすことで全体へ馴染ませることが可能です。
ハンドルノブ
ハンドルノブにはベアリングも使われており、巻心地には大きな影響を与えるパーツの1つです。
ハンドルノブには多くの場合、ハンドル側とハンドルノブ先端側に1つづつベアリングが付いていることが多く、ベイトリールではハンドル2つで合計4つのベアリングが使われています。
この部分へはオイルを塗るか、グリスを塗るかは意見が分かれますが、使う用途やその人の好みで分けるのが良いでしょう。
海水利用や雨でも釣りをするなどよりハードな環境での利用が多い場合はグリスを塗ることをお勧めします。グリスの特徴として高い粘度でしっかりパーツをコーティングすることができ、水からパーツを守る効果は高いです。
一方淡水専用でライトな使い方の方にはオイルでも問題ありません。
また、どちらを塗るかで巻心地のフィーリングにも違いがあります。
グリスを塗った場合は、巻心地はしっとり、滑らかな巻心地になり、オイルの場合にはスムーズなするするした巻心地になります。ここは好みに合わせて選択するのが良いでしょう。
おすすめとしては、ハンドル根元部分にはグリス、ハンドル先端はオイルを指すことのがおすすめです。
両方のいいとこ取りで、ハンドル根元の露出多い部分はグリスで守りながら、ハンドル先端はカバーもついているので、オイルで回転性能を向上させます。
簡単にメンテナンスできる部分なので、自分の好みを探るためにいろいろ試してみるのがよいでしょう。
スプールベアリング
スプールベアリングは直接キャスティング飛距離に直結する重要なパーツです。
このスプールベアリングはスプールの軸を支え、キャスティング時のスプール回転を支える需要なパーツです。スプール回転時は基本、スプールの両サイドのベアリングのみで支えます。
ここはかならずオイルを注油するようにします。かつ、回転性能を向上させる専用のオイルを塗ることが良いでしょう。
たまに購入したリールのベアリングオイルが古くなっていて、回転性能が低いリールがあります。この場合はかならずパーツクリーナーで一度古いオイルを全て取り除き、新しいオイルを適量注油し直すことで、劇的に変わることがあります。
キャスティング飛距離は釣果にも繋がる重要な要素でもあるため、定期的にメンテナンスしてください。
最後に
リールのメンテナンスは快適にリールを使うため、リールを長く使うためにも重要です。毎回の簡単なメンテナンスだけでも十分に長持ちさせることが可能になります。
釣果に影響を与えることもあるので、是非日頃からのメンテナンスを心がけてみてください。