今年の釣りフェスティバルにて発表となった、20メタニウム
そのスペックは19アンタレスに採用されているMGLスプールなど、上位機種に採用されている技術が多く取り入れられ、価格も抑えられていることから、かなりの高コスパリールに仕上がっています。
今回はそのスペックを19アンタレスと机上比較したいと思います。
20メタニウムと19アンタレスの基本スペック比較
まずは、19アンタレスと20メタニウムの基本スペックを比較してみます。
20メタニウムのスペック
製品名 | 自重(g) | ギア比 | 最大ライン巻取(cm) | 最大ドラグ力(Kg) | ラインキャパシティ | ボール/ローラーベアリング |
---|---|---|---|---|---|---|
RIGHT | 175 | 6.2 | 66 | 5 | 12lb-100m | 10/1 |
LEFT | 175 | 6.2 | 66 | 5 | 12lb-100m | 10/1 |
HG RIGHT | 175 | 7.1 | 76 | 5 | 12lb-100m | 10/1 |
HG LEFT | 175 | 7.1 | 76 | 5 | 12lb-100m | 10/1 |
XG RIGHT | 175 | 8.1 | 86 | 5 | 12lb-100m | 10/1 |
XG LEFT | 175 | 8.1 | 86 | 5 | 12lb-100m | 10/1 |
19アンタレスのスペック
製品名 | 自重(g) | ギア比 | 最大ライン巻取(cm) | 最大ドラグ力(Kg) | ラインキャパシティ | ボール/ローラーベアリング |
---|---|---|---|---|---|---|
RIGHT | 220 | 6.2 | 66 | 5 | 12lb-100m | 10/1 |
LEFT | 220 | 6.2 | 66 | 5 | 12lb-100m | 10/1 |
HG RIGHT | 220 | 7.4 | 79 | 5 | 12lb-100m | 10/1 |
HG LEFT | 220 | 7.4 | 79 | 5 | 12lb-100m | 10/1 |
20メタニウムはギア比のレパートリーが3タイプ
20メタニウムはギア比の展開が3タイプとなっています。
これは好み、用途に合わせて選びやすく評価ポイントになるでしょう。
両者に採用されているMGLスプールは34/19mmと小ぶりなため、糸の巻き取り量が少なくなりがちなため、ハイギアは重要なポイントになるでしょう。
最近はどのメーカーでもハイギア化が進んでいるため、1:8.1のラインナップは20メタニウムのアドバンテージになるでしょう。
MGLスプールⅢ採用で5g〜キャスト可能
MGLスプールⅢは2019年に発表され、その年のアンタレスに採用されました。
それがわずか1年で20メタニウムにも採用されることになりました。
初代マグナムライトスプール、第二世代マグナムライトスプールと進化を遂げ、その第三世代として誕生したのが、最新鋭マグナムライトスプールⅢ。スプールのさらなる薄肉化に挑み、耐久性を損ねることなく、従来を上回る低慣性化を実現しました。さらに、アンタレス・メタニウムに搭載されるスプールは、34 ㎜の外径に対し、幅19 ㎜のナロー(幅狭)形状とすることで、第二世代マグナムライトスプール比で約15%もの低慣性化を達成。遠投性能はもちろん、従来を遥かに上回る軽やかな立ち上がりと、どこまでも伸びる爽快なキャストフィール、そしてトラブル回避性能の大幅な向上を実現しています。
出典:シマノ
実際には、19アンタレスと20メタニウムでは若干形状などが異なるようですが、このMGLスプールが採用されたことで、下は5g程度から1ozのルアーまでまさにバーサタイルに快適なキャストが可能になりました。
20メタニウムのメインギアがブラス(真鍮)製に
20メタニウムのメインギアが今回真鍮製となりました。
前モデルの16メタニウムMGLには採用ジュラルミンギアが採用されていました。
ジュラルミンは軽くて強く、いい素材ではありますが、ブラスギアは重く、硬く安定したブレのない巻き心地を提供してくれます。
アンタレスやカルカッタのような、巻き心地を重視する上位機種には、このブラスギアが採用されています。
今回20メタニウムにもこのブラスギアが採用され、さらにマイクロモジュールギアも当然採用されていることから、アンタレス、カルカッタとも遜色ない巻き心地を手に入れたのです。
19アンタレスと20メタニウムの剛性感も近差に!
今回20メタニウムのボディーはバンタムに採用されていた「コアソリッドボディー」になっています。
また、素材はアルミからマグネシウムへと変更され、より軽く、強度も増しています。
マグネシウムは実用金属の中で「最も」軽量で、比強度が最大の金属と言われるほどの金属です。
そのため、フッキングやリーリーング時の歪みも抑えられつつ、軽いボディーを実現することができています。
しかし、重量と高剛性からくる、最高の使用感はアンタレスにはどうしても届かないでしょう。
アンタレスは重量がある分、絶妙に安定感と剛性がマッチし、シルキーな巻き心地、使用感を提供しています。
これは細部にわたりアンタレスは剛性をもとめた作りとなっていますが、メタニウムにはCI4+を採用するなど、軽量、低コスト化を目標に置いているためです。
この領域としてはアンタレスに軍配があがります。
それぞれ単体ではわからない方もいるかと思いますが、実際にその場で両リールを巻き比べすると、この差はみなさま感じることができるでしょう。
20メタニウムは近距離打ち物では19アンタレスにまさる
20メタニウムと19アンタレスで比較して、やはり使用感や安定性などから19アンタレスに軍配は上がるように感じます。
しかし、メタニウムがアンタレスを抑える可能性がある領域があります。
それが、近距離打ち物系の釣りです。
これだけメタニウムは19アンタレスと同等の技術が採用され、軽量化されていることから、飛距離(飛び)が必要無い近距離系の釣りではその差が表面化せず、ボディーの軽さによる扱い易さにより、メタニウムに大きなアドバンテージがあります。
しかし、この19アンタレスと比較ができるスペックなのに、店頭実売価格3万円ちょっとでは、価格まで含めた総合的にはメタニウムは一番魅力あるリールだと行っても良いと思っています。
※これはみなさまの懐事情によって評価は分かれるでしょう
最後に
今回の机上比較を行った結論として、20メタニウムは19アンタレスを超えたと言って良いと思います。
19アンタレスに採用された技術を惜しげもなく利用し、この価格に抑えられている点は、かなり評価できるポイントだと思っています。
もちろん19アンタレスはフラッグシップモデルとして最高のリールだと思いますが、利用頻度や範囲、ユーザを絞った場合ではメタニウムはアンタレスを超えてくるのだと感じました。
みなさまもご自分のライフスタイルや考えに合わせリールを選んでみてください。